退屈な仕事は人工知能にやらせよう

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「結婚はエラい、子供がいればもっとエライ」について思うこと

結婚はエラい、子供がいればもっとエライ??

b.hatena.ne.jp

この漫画が話題だがどうしても言いたいことがある

1.エラい、エラくないの議論が途中から幸福論にすり替わっている

漫画の途中で子供がいなくても幸せな人たちを取り上げている。結婚したくてもできない人もいるし、子供が欲しくない人もいるだろうから、幸福は人それぞれということに疑問の余地はない。

だが、エラい、エラくないの議論のはずなのに話題がすり替わっている。

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そもそも、この子供を産んでいないけど幸せそうな人たちはエラいのか?

2.社会に貢献してる人ってエラくないの?

エラいエラくないってじゃあ何よ?ってことなのだが、子供を産んで育てることは、その夫婦が勝手に選んだことなので別に褒められたことではないというのはわかる。「別に苦労して子供育てろとかこっちは頼んでねーよ」と言いたいのもわかる。「勝手に社会の要請だって解釈して産むんじゃねー」と。まあ、わかる。

 

でもちょっと考えて欲しい。

 

たとえば医者になって病気の子供を救うことはエラくないのか?

もし、医者を目指す人がいなくなったら
もし、より良い社会を維持しようと働く人がいなくなったら

みんながそういう「エラい人」を目指さなくなったら、その時、この社会がどうなってしまうか考えをめぐらしてみてほしい。想像力を働かせてほしい。

別に個人の趣味嗜好として、人生の目標として「エラい人」を目指さなくてもいい。エラい人になんかなる必要はない、かもしれない。そう思う。そんな世界は息苦しいし、人によって何を善とするかは違う。けど、、、だ・け・ど・!

人はみんな過去の、現在の、「エラい誰か」の恩恵を授かっている

とも思うわけだ。実際には多くのエラかった人の絶え間ない努力のおかげで、今の平和な日本の社会が形成されて維持されていること

それは忘れないで欲しいと思う。まあ確かに少子高齢化とか大気汚染だとかテロだと何だとかの山積した問題はあるけれど50年前、100年前よりはよっぽど経済も安定しているし、安全だし、豊かだ。僕らはその恩恵にあずかっている。

社会システムへの貢献

あなたが教育を受けれたのも、美味しいご飯が毎日食べられるのも、病気になった時に病院にで治療を受けられるのも、どこかの誰かが、人生の大切な時間を使い、あるいは税金を納めて、その素晴らしい社会システムの維持に貢献してくれているからに他ならない。

子供を産むことだけが社会に貢献する唯一の方法ではない

これはその通り。子供を産んで育てること以外にも立派なことはたくさんある。

会社を起こして雇用を創出したり、音楽や芸術を通して社会に新たな価値を生み出したり、学校を作ったり、公共事業を推進したり、ボランティアしたりといったすごく大変なことや、そんな大それたことでなくても、

ただ一生懸命働いて税金を納めているってだけでも、それは「エラい」と思う。

( ただし、ニート、てめーはダメだ )

子供を立派に育てていることは胸を張っていいこと、でしょ?

子供を産んで育てることは社会システムの維持のために必要なことだ。あなたが「社会なんて滅びても構わない。むしろ衰退しろ」と思っているなら何も言うことはないが、、、。

漫画に登場する40代前半のおばさんが呑気に海外旅行に行けるのは、そのおばさんが頑張ったからでも何でもない。

飛行機のパイロット、客室乗務員、整備士、空港職員、税関などの政府職員はもちろん、それらを設計した人、基礎研究をした古今東西の物理学者、空港建設のためにリスクを負った投資家、誘致に汗を流した政治家、そういった書ききれないくらいたくさんの人のおかげで安全安心な空の旅を楽しめるということを忘れちゃいけない。そしてそのシステムを維持している源泉は家庭にあるはずだ。(※厳密には家庭でなくてもいいが)

子供を産んで育てることがエラくないなら、野口英世キング牧師もエラくない

ただし、この世にエラい人なんか一人もいなくて全部人間のエゴだという理屈を展開することは可能だ。エラいエラくないなんて人間の小さな物差しでの尺度に過ぎない。

ものすごくエラくなくてもいいけど、個人のちょっとした頑張りが確かに未来を支えてくれているのだから、仲良くしよう。

みんなでちょっとずつ、完全には理解し合えなくても、「社会をよりよくしたい」という思いが一緒なら、きっと同じ目標に向かって(反発しながらも)歩いていける!

 

最後まで読んでくれてありがとう!

(翻訳)この国には、自分一人の力で富を得たものは一人もいません。一人も!あなたが自分で工場を建てた。いいでしょう。 ただ、明確にしておきたいと思います。あなたの商品を市場に運ぶための道路、この道路は残りの私たちがお金を出し合ってつくったものです。あなたが雇う労働者たち、彼らに対する教育も残りの私たちがお金を出し合って提供したものです。(中略)あなたは工場をつくりました。そしてそれが何かすごいものに変わったとします。偉大なアイデアでもなんでもかまいません。いいでしょう。そのうちの大きな塊を自分のもとに取っておいてください。しかし、根本的な社会契約の一部、それは、あなたがそうして手に入れた大きな塊を次に来る子どもたちのために使おうとする、その恩送りにこそ存するのです。

(原文)There is nobody in this country who got rich on his own. NOBODY! You built a factory out there – good for you! But I wanna be clear. You moved your goods to market on the roads the rest of us paid for. You hired workers the rest of us paid to educate. ... Now look, you built a factory and it turned into something terrific, or a great idea, god bless, keep a big hunk of it, but part of the underling social contract is you take a hunk of that and pay forward for the next kid who comes along.

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